数学U 数列

数学的帰納法 碁石並べ

問題 碁石は○と●の2種類ある. 10個の碁石を●が隣り合わないように一列に並べる並べ方は何通りあるか.

n個の碁石を●が隣り合わないように並べる並べ方の総数をfn通りであるとする.

解答1

  1. 1個のとき
    ○ ●
    以上2通りである.
    1=2
  2. 2個のとき
    ○○ ○● ●○
    以上3通りである.
    2=3
  3. 3個のとき
    ○○○ ○○● ○●○ ●○○ ●○●
    以上5通りである.
    3=5
  4. 4個のとき
    ○○○○ ○○○● ○○●○ ○●○○ ○●○●
    ●○○○ ●○○● ●○●○
    以上8通りである.
    4=8
     3個,4個の場合から,一般の場合が類推できる.
  5. n≧3 のとき,f1,…,fn-2,fn-1 が定まったとする.
    1つ目の石を○とすると,残りのn−1個の並べ方はfn-1通りである.
    1つ目の石を●とすると,2つ目は○でなければならず,残りのn−2個の並べ方はfn-2通りである.
    ゆえに,fn=fn-1+fn-2
  6. これは,フィボナッチ数列である.
    0〜f10 は次のようになる(f0=1 とする).
    1,2,3,5,8,13,21,34,55,85,144

解答2
 ●の個数で分類して考える.

  1. ●が0個の場合
    n個すべて○だから,1通りある.
  2. ●が1個の場合
    ○をn−1個,●を1個並べる並べ方である.
    ゆえに,nC1=n通りある.
  3. ●が2個の場合
    2個ある●の間に○が1個以上あるので,間にある○を1個取り除いた列を考える.
    取り除く前の列が異なれば,取り除いた後の列も異なる.
    取り除いた後の列には,○をn−3個,●を2個並べる並べ方がすべて現れる.
    このような並べ方は,n-1C2通りある.
  4. ●がk個ある場合(k≦(n+1)/2)
    すべての●と●の間から○を1個ずつ取り除いた列を考える.
    取り除く前の列が異なれば,取り除いた後の列も異なる.
    取り除いた後の列には,○をn−2k+1個,●をk個並べる並べ方がすべて現れる.
    このような並べ方は,n-k+1Ck通りある.
  5. 合計すると(●が0個のときの1はn+1C0と表せるから),
    n=Σ n-k+1Ck (0≦k≦(n+1)/2)
  6. 1011C010C19C28C37C46C5
      =1+10+36+56+35+6=144

これから,フィボナッチ数列とパスカルの三角形の間の興味深い関係が得られる.
             
            
           
          
         
    10 10   
13   15 20 15